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大西幸次さん

大西幸次さんのストーリー

たばこの依存症状は自分で体感している。それを踏まえて、止められない人の話をきいてアプローチしたい。

【私が応援するのは、禁煙したいのにできない人】

2007年に肺気腫の疑いでCTを受けたら肺がんが見つかりました。ステージ3A。それまで、32年たばこを吸ってきましたし、肺がんと言われた時も胸ポケットに買ったばかりのたばこを入れていました。先生に「今すぐそのたばこをやめろ」と言われたけど、病院出て、「肺がんって言われたなあ」と考えながらたばこ吸ったほどのヘビースモーカーでした。 

禁煙しようと頑張ったけど、翌日すぐに禁断症状が出ました。頭がぼーっとして、身体が熱っぽい。ひょっとしたら肺がんって言われた精神的なもの?と思ったりもしたのですが、職場のメンバーが、「それはニコチン切れの症状なのでは?」と。試しに一本吸ってみたら、すぐに本当にその症状がなくなったんです。その効果を知り、これは自力では禁煙は無理だと思いました。当時は禁煙外来が無かったので、ニコチンガムを買って、何とか止めることができました。

すごく大変ではありましたが自分は禁煙に自力で成功した。だから、他人だって止められるだろうってなってしまいました。「喫煙とがん」という冊子を職場で人に渡したりして…プロジェクトに参加して、こういう行動が「対立」だったということに気づきました。プロジェクトで「依存」というものを知ってから、同僚には「たばこやめようと思ったことってあるの?」と聞いてみるようになりました。すると、みんなあると言うんです。毎日止めたいと思っているのになかなか止められないと。「禁煙外来ってどれくらい通うの?」と質問されたりもしました。不安で行けてないという人がいたのです。なので、自分でも調べて「12回で1クールだよ、土曜もやってる。日曜もやってるとこあるよ?」など勧めてみるようになりました。 

やっぱり、身近な人にたばこを止めてほしいという気持ちがあります。同僚とか、後輩とか。自分みたいにならなければいいのにって思っています。あと、やはり受動喫煙。受動喫煙っていうのを知ってから、自分が吸って自分に害があるのは自己責任だから仕方ないよね、ってなるけど、その人がやっていることが周りに迷惑をかけているっていうことに気が付いていないなら、教えてあげたいなと思います。害を正しく知ること。それを知ったらね、たぶん「え?何してるんだろ」って思うような気がするんですよ。それが分かれば、どうしても吸わないといけないものではなくなるんではないかと思うんです。そして、止めるためには依存という病気を治すための治療が必要だというプロセスを伝えたいです。 

ひとりでも多くの人の話を聞いて、止めてもらえるように努力します。